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留学に行けない人の事情
留学する若者が減っていると嘆く声があちらこちらから聞こえる。曰く、留学することによって多様性を学び、日本を外側から学ぶことは重要とのこと。日本社会の将来の為にも必要だというのである。
最近の若者は内向きだから外国に目を向けないのだというお説教も多い。しかし、どれだけ留学の長所だとか重要性を説いたところで問題は解決しないだろう。留学が出来るならしたいが、出来ないという人が多いと思うからだ。
かくいう私も留学を諦めたうちの一人。必要な書類は全部出したが、途中で取り下げたことがある。大学の交換留学制度を使って、なるべく費用がかからないようにと配慮はしたし、母親は費用は出すと言ってくれていたが、両親は心臓に爆弾を抱えているし、弟も高校受験を控えている。留学が可能だったかと言われれば可能だったのだろうが、この状況で平気で留学に行けるような人間になどなりたくなかった。
若者が内向きになったから留学する人間が減った、と嘆いたり説教したりする人間達に、声を大にして言いたい。
「だったら、費用はあなたが出してくれ」
自分が外国に勉強しに行ったせいで、親が手術を受けられずに早死にしました、なんてことになったら、勉強して得たものなど、はっきり言って忌々しいものでしかない。
どれだけ留学で得るものが大きかろうが、自分の命より大切な家族をとる。それを内向きと非難するような人々に、日本の将来を語る資格はない。