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移住先の不敏さ
近年、日本は豊かな国として知られています。日本で生まれ育った若者は、この物理的に豊かな社会が当たり前となっています。しかしこの若者の当たり前が留学先で問題となっています。
じっとしていても朝食が出てくる、エアコンのある部屋で夏は涼しく、冬は暖かい個室で生活し、朝でも夜でもお風呂に入り出かける。このような贅沢な環境で育った若者が、外国で実家にいる時と同じような快適さを求めようと思っても無理はことです。
たとえば、ニュージーランド人の家庭にホームステイしていた学生が「お風呂を自由に使わせてくれない」、「シャワーは3分以内にしろ」と言ってくるなど「よその家ではお風呂に入れてもらっているのに、この家はケチで意地悪だ」と言うのです。
日本から語学を勉強しようとわざわざやって来た学生に対して、意地悪をしようとしているはずがないのに、母親は「とんでもない家庭に子供をステイさせえてしまった」、「子供が勉強に集中できない環境に置かれている」などといって、ホームステイ先を変えてほしいと要求するそうです。
ニュージーランドの多くの家庭では、タンクにお湯を溜めて使う給湯システムのため、日本のようにたくさんお湯を使うことができません。こういう不自由を我慢することができない学生がたくさんいるのです。「留学とはお金を出して、苦労を買いにいくもの」です。このような不便を感じて、初めて、何気なく思っている物や事柄の存在のありがたさに気づくのが留学のメリットなのです。